イフゼンについては、以前、いずれ別の記事で書く、と言っていた。今回がその記事である。
if-thenプランニングという名前がある
イフゼンは、私が考えた呼び方ではない。心理学ではif-thenプランニングと呼ばれている手法で、意味はそのまま「もしこうなったら、こうする」である。
数字が、わりと極端だ
事前に「いつ」「何を」やるかを、はっきりと決めておく——これで実行できる確率は2倍から3倍も高くなります。
ハイディ・グラント・ハルバーソン『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』より。
2倍から3倍である。やることは変えていない。決め方を変えただけで、そうなる。
紹介されている実験の数字は、もっと極端だ。手術後の検診について、いつ受けるかを事前に決めておいた人は100パーセントが受診し、決めていない人は53パーセントだったという。別の検診では、92パーセントと60パーセント。
命に関わる検診ですら、決めていなければ半分近くが行かない。そこに「いつ、何をするか」まで含んだ目標を立てておくだけで、ほぼ全員が行く。
効く理由は、単純だ
脳は「XならY」という文章を記憶しやすいのです。
同書より。
それだけである。込み入った仕掛けは何もない。覚えやすい形をしているから、思い出せる。 そして一度この形で覚えると、脳は無意識のうちに、その「X」が来ていないかを周りから探し始めるのだそうだ。
これは、私が準備の話で書いたことと同じである。あのとき私は「見えているから思い出せていた」「見えない物だけが、こぼれる」と結論した。思い出せるかどうかは、意志ではなく、合図があるかどうかで決まる。 イフゼンとは、その合図を自分で作っておく作業だ。
私が意識して作ったイフゼン
ざっと数えただけで、六つあった。
- 開くのは、尋ねられたときだけ
- 渡したときは、求めない
- 小さな不安でも、外部装置に頼れるなら頼る
- 忘れたくない物は、リマインド設定しておく
- その場を見ながら準備できないときは、持ち物の表を作る
- その場で準備できるときは、見えない物だけを表にする
どれも、意識して作って、意識して使っているものである。
意識していないイフゼンのほうが、たぶん多い
ここからは私の考えで、本に書かれていたことではない。
意識して作れたのが六つだということは、裏を返せば、六つしか作れていないということでもある。
ところが生活を眺めてみると、「XならY」の形をしたものは、そこらじゅうに転がっている気がする。作った覚えはないのに、毎回きちんと発動するものだ。
私にも心当たりがある。
「決断の直前になったら、パートナーに断りを入れる」
決めた覚えはない。それでも毎回そうなる。形は、意識して作ったものとまったく同じである。脳が覚えやすい形をしているのなら、意識して入れたかどうかは関係ないはずだ。入ってしまえば、同じように発動する。
そして厄介なのは、良い習慣だけがこの形で入るわけではない、ということだと思う。悪い習慣も、同じ形で潜んでいる。 自分で決めたものではないぶん、気づくきっかけがない。
他にもあるはずだが、まだ見つけられていない。
組み替えていくのが、よさそうな気がしている
イフゼンの説明は、ここまでである。
決めた覚えのないものが、私を動かしている。それが自分の望みに沿っているのなら、それでいい。沿っていないのなら、まず気づかないことには、どうにもならない。
すでに組み込まれているイフゼンを明らかにして、少しずつ組み替えていく。いまのところ、それがよさそうな気がしている。
みずから えらぶ
ルールが多いことで、世界がクリアに見えた話。
見えない、認識しにくい物はチェックリストで拾おう。
相談事は溜め込まず、小出しでいこう。